備前焼ができるまで

備前焼ができるまでこのページでは備前焼が出来るまでの各工程を説明しています。備前焼を作る工程は現在もほぼ手作業で行われており、天候や季節に影響されることが多くあります。

1)土づくり

土作り

備前焼に使われる土には、田んぼの下から取れる田土や山から取れる山土、備前市の隣、長船町で取れる黒土などがあります。使用用途により混合して使用され、その混合比は作家さんごとに違います。掘り出された土は作家や粘土業者によって粉砕され粘土に加工されます。土づくりの工程には水簸や石よりといった手作業があります。

水簸(すいひ)

水の中に土を入れ撹拌することで砂や石を取り除く作業です。細かくねっとりとした粘土が作れます。

石より(いしより)

手でひとつずつ小石を取り除く作業です。機械で行わないのは微妙な小石は残しておく事で石はぜの景色を狙う為です。

2)形成

形成

形成は一般的に電動轆轤を使います。昔ながらの蹴轆轤や手轆轤、手捻りにこだわる作家さんも中にはいらっしゃいます。轆轤で形をつくり、少し乾燥させへらで仕上げます。細工物などは型抜きが一般的ですが、最初からすべて手作りで行う作家さんもいらっしゃいます。

たたら作り

粘土を板状にして形成する技法です。均一な厚みの作品を作るのに適しており、主に角皿や四角い箱状のものなどに用いられます。

たたき技法

石膏型や石に粘土のかたまりを置き、砧でたたいて形成する技法です。主に鉢や皿などの器に用いられ、土の表情をつけるのに適しています。厚みが均一でないため、歪みが生じやすい技法です。

紐作り

粘土をひも状にして螺旋を描きながら積み上げていく技法です。壺や甕、徳利や酒呑などの形成に用いられます。表面の凹凸が出来やすく味わい深い表情に仕上がります。

3)乾燥

乾燥

形成された作品は、棚に保管し自然乾燥されます。冬などは寒さで凍らせないよう、照明やストーブを夜通しつけておいたりします。 また、夏場はクーラーでの急激な乾燥を避けるために、作業場にはクーラーを付けていない事が多いです。

4)窯詰め

窯つめ

窯詰めは、備前焼には重要な工程となります。窯詰めのよしあしで、作品への景色の付き具合が大きく左右します。大きさの違う作品を並べ、炎の通りを計算し窯詰めを行うことで炎の流れをつくり変化のある焼け肌が取れます。昔は窯詰めの効率を上げる為に偶然ついていた景色ですが、現在は焼け肌をある程度狙ってとることが出来ます。

5)窯焚き

窯焚き

備前焼の窯焚きは、通常赤松の割木で行われます。雑木を混ぜて焼成する作家さんもいらっしゃいます。窯焚きは1週間から10日ぐらいかけて昼夜問わず行われ。最初は小量の薪で、少しづつ温度を上げていきます。最終的には多量の薪を窯に投入し、1250度くらいまで温度をあげます。焚き終わりは、焚き口から煙突の方にかけて徐々に薪を入れて蓋をしていき最後に焚き口がすべてふさがれ、窯焚きが終了します。

6)窯出し

窯だし

窯焚きが終わった窯は、そのまま自然に温度が下がるのを待ちます。備前焼は急激な温度変化に弱く、急冷すると作品に傷がついてしまいます。4・5日ほどで窯内の温度も下がり、作品の窯出しを行います。作品には灰などが付着しているので、たわしややすりなどできれいに処理を行い、水洗いされます。

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備前焼ナビ336
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